国際化が進み日本人や日本人とのハーフの子どもが日本国外で生活する事も多くなってきた今、非日本語圏で育つ子どもへの「継承語」としての日本語教育について考えなければならない時代となりました。
日本語教育の低年齢化により日本語教育への需要が高まり、現地の日本語教育機関でさえ、日本語教師資格者や幼児教育者が指導法もわからないまま、子どもへの日本語指導に不安を持ちつつ行っているというのが実情です。
日本語教師資格者は、大人への指導には慣れているが、子どもへの指導法は身に付けていません。また幼児教育者である保育士や幼稚園教諭は、子どもとの関わりには慣れているが、日本語の指導法に関する知識はもっていません。両者共に試行錯誤しながら非日本語圏で日本語の指導を子どもに行っています。
更に、日本国内においても在日外国人児童が年々増えているため、保育施設、幼稚園、小学校においても非日本語圏で育った子ども達がクラスメイトや先生達とのコミュニケーションがとれるよう、そして、健やかな学校生活を送ることができるよう、現場の教員が在日外国人の子ども達に日本語を指導する必要性が出てきています。
こうした状況に対して、非日本語圏で育つ(育った)乳児、幼児、児童に日本語を無理なく指導できる知識と技能を持つ民間の指導者を養成・認定し、日本語教育機関や日本人コミュニティーに供給できる体制を作り出すことが大切だと考えています。そのためには、指導者としての能力認定をする機関の設立、そして世界各国で子ども達に日本語指導を行っている幼児日本語教師の資質・技術の向上を図るため、国や言語、文化が異なる場で活躍する幼児日本語教師同士のネットワークを構築する場が必要とされてきました。
本協会は、民間の教育関係団体が目的達成のために必要な資格基準を作り、能力評価、教育資源の開発・研究に取り組み、その成果をもって非日本語圏または日本国内で育つ乳児、幼児、児童を対象とした日本語教育団体における日本語活動を推進する事を本旨として設立しました。
- 本協会は世界各国における幼児日本語教育の振興を通して、世界各国と日本の相互理解を深め、文化交流に寄与することを目的とする
- 非日本語圏における乳幼児、児童への日本語教育の現状を把握し、幼児日本語教師間の情報交換や相互協力を可能にするためのネットワークを確立する
- 日本国内の在日外国人児童への日本語教育に関する現状を把握し、幼児教育機関や公立小学校機関における外国人児童向けに適切な日本語指導が行えるよう教師間の情報交換や相互協力を可能にするためのネットワークを確立する
- 幼児日本語教師の資質と技術の向上と問題点の改善を図るために、勉強会や研究会、ワークショップを開催していく
- 各国で子どもへの日本語教育者を探している人への幼児日本語教師の紹介を行う
- 各エリアの幼児日本語教師を筆頭に移民への子育てサポートとして、日本語指導だけに留まらず、異国の地で行う子育ての不安や心配、孤独を共感し助け合えるコミュニティーネットワークを確立していく