幼児期に家庭内でできる語彙学習のポイント!
母語や継承語に関係なく、幼児期は日常生活の中でたくさんの言葉に触れていく大切な時期です。集団活動が始まるまでの期間というのは、家庭という小さなコミュニティーの中で子どもは日々学んでいきます。保育園や幼稚園が始まれば、同じ年のお友達や園の先生たちとのコミュニケーションを通じて、子どもは多くの言葉を獲得していきますが、それまで何もしなくても良いのかしら?家庭でも子どもの語彙力アップを促すアプローチは、色々とあります。語彙学習のポイントをまとめてみたので、取り組めそうなことから、はじめてみてはどうでしょうか?
例えば、家族が一緒に食事をする際に、幼児に対して「今日は何食べたい?」と尋ねたり、「これは、どんな味がするかな?」と話題を振ったりするのも良いですね。また、散歩や買い物に出かける際にも、幼児に対して周りの景色や物事について話しかけることもできるでしょう。日常生活の中で、幼児と積極的に会話をすることで、幼児の語彙を増やすことができます。ただし、無理に会話を増やす必要はなく、自然な形でコミュニケーションをとることが大切です。
幼児には簡潔でわかりやすい言葉を使うことが大切です。煩雑な説明や複雑な言葉を避けることが重要です。言葉のレパートリーを増やすためとは言いつつも、「この赤くて丸い果物は、りんごという果物だよ」と説明するのではなく、「これはりんごだよ」と簡潔に言うことが、幼児にとって理解しやすくなるでしょう。
例えば、幼児が新しい言葉を覚える際に、保護者や家族はその言葉を何度も使って繰り返し言い聞かせることが大切です。上記で提示した通り、幼児には簡潔な言葉で伝えることが最初のステップとなります。その後、その言葉の意味を説明し、関連する単語や文脈を示すことも有効です。例えば、「りんご」の言葉を聞いて幼児がどの果物のことか理解している様子であれば、次に応用編で「これはりんごだよ。赤くて丸い果物だよ。おいしいよ。りんごジュースもあるよ」と、りんごという言葉を繰り返し、関連する単語や文脈を示すことで、幼児の語彙を増やすことができます。ただし、過剰な繰り返しや無理に理解させようとすることは避け、自然な形で行うことが大切です。
例えば、幼児がテーブルの上にあるりんごを見て、「りんご」という言葉を聞いた場合、保護者や家族はりんごを指しながら「これがりんごだよ」と言うことができます。また、絵本を読んで物事を説明する場合には、絵に合わせて物事を指しながら言葉を説明することも有効です。これによって、幼児は物事と言葉を関連付けることができ、言葉の理解を深めることができます。視覚的な手がかりを与えることは、幼児の興味を引くことができるので、楽しく学習することができます。
例えば、幼児が動物が好きな場合には、動物に関する語彙を教えたり、動物園に行って実際に動物を見せたりすることができます。また、幼児が興味を持っているおもちゃや遊びに関する語彙を教えることも有効です。幼児が興味を持っていることに合わせて語彙を教えることで、幼児は自然な形で語彙を学び、学ぶことが楽しくなります。これによって、幼児は自分自身で学習する意欲を持ち、より効果的な語彙学習が可能となります。
例えば、お絵かきやクレヨンなどを使って色や形を学んだり、色々な動物の鳴き声を一緒に言ってみたり、かるた遊びを一緒にしながら物の名前を覚えたりすることが楽しく学ぶ方法としてあげられますね。また、幼児の好きな絵本や歌を一緒に楽しむことも、語彙学習につながります。楽しく学ぶことで、幼児は自然に興味を持ち、学ぶ意欲が高まります。
意識して取り組むことが大切!
上記であげた6つのポイントは、特別なことではなく、日常生活の親子の関わりの中で日々、取り組んでいることかと思います。子どもにとって、母親の言語と父親の言語が異なるとか、現地語と家庭言語が異なるとか、個々の子どもによって、個々の家庭によって、言語環境は違います。
共働きをしていて、親子で関わる時間が限られているという方もいるかも知れません。それでも、子どもが寝る前に絵本の読み聞かせをして、日本語に触れる時間を作ったり、家族団らんの食事の時に、食卓に並んだ食材について、日本語で伝えてみたり、意識して取り組むことで、子どもの語彙力アップにつながっていくことでしょう。
幼児日本語教師養成コースで幼児日本語教育を学んでみませんか?
2歳児検診や3歳児検診で子どもが発する言葉の数が他の子どもと比べると少ないかも?と指摘されたという親御さんの話をよく聞きます。複言語環境で育っている子どもの場合、モノリンガルの子どもよりも発話が遅れたり、発する語彙数が少ないと言われることは、よくあります。
モノリンガル環境で育つ子どもと同じ感覚で複言語環境の子どもの言語力をはかられたら、もしかすると現地語では発することが無かった語彙でも、日本語だったら頻繁で使っているという同じ語彙がある可能性もあります。例えば、日本語で「りんご」と認識し、りんごが出てくると「りんご」と発するけれど、英語で「Apple」とはあまり言わないということだってあるかも知れません。英語圏で「Apple」と発する頻度が少ないからといって、「言語に遅れがある」と言われるのも何だか違うのかな。
複言語環境で育つ子どもは、モノリンガル環境で育ってきた人たちと異なります。自分が習得してきた日本語と、非日本語圏で日本語を学んでいく子どもとは、異なるアプローチになるということを理解することも大切です。
幼児日本語教師養成コースの受講生は、ご自身の子どもの特別な幼児日本語教師になろうと学ぶ方が多いです。幼児教育の教材を日本から取り寄せている方も多いと思いますが、やり方を間違えれば、子どもが日本語を嫌いになってしまいます。継承語教育のためにアプローチしているのに、日本語嫌いを促すことは避けたいですね。適切な時期に適切なアプローチをすることで、子どもが無理なく日本語を習得できるようになれば、これは素晴らしいことですよね。
幼児日本語教師のレッスンを受講したり、日本語補習校に通ったりすることは、とても意味あることですが、それだけでは足りません。お教室や学校と家庭が協力し合うことで、継承語を維持し、伸ばしていくことに繋がります。
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