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2022年幼児日本語教師として教育現場にデビューした先生の声が届きました

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新しい年が始まって、2週間経ちましたが、2022年の寅年、皆様は、どんなスタートをしたのでしょうか。

年末年始で世界各国、オミクロン株の感染拡大によりロックダウンの中での年越しをされた方々、ロックダウンではないけれども、クリスマスや年末年始の楽しいイベントが中止となり、ひっそりと新しい年を迎えた方など、さまざまだったかと思います。

【こちらのコロナの状況】

KJLTIA(幼児日本語教師協会)の拠点がある西オーストラリア州のパースは、クリスマス前に州境を開けて、他州との行き来ができるようになりました。開けたらこうなるよね・・・と絵に描いたようなシナリオ通り、コロナの感染者が出てしまい、少しずつ増えています。そのため、昨夜、再度、西オーストラリア州は州境を閉じ、またまた鎖国になってしまいました。しかし、州境も国境も開けたらウイルスの侵入が防げないのであれば、いずれ諦めて開けるしかないというところまできたという雰囲気になっています。このまま無事に2月5日の国境オープンに向けて、州民はワクチン接種に急いでいますよ。5歳以上の子どもの接種も先日始まったところです。

【新しい年に幼児日本語教師としてデビューした方からレッスン報告が届きました】

今年1月から日本にあるインターナショナルスクールで幼児日本語教師として日本語レッスンをすることになった方から、早速、初回と2回目のレッスン報告が来ました。こちらの先生は、認定試験の受験に必要な100時間の指導経験を積むために教育現場で幼児日本語教師としての挑戦を始めたばかり。

【初日のレッスン】

初回は、子ども達のこともわからない状態での体当たりですから、上手く行かなかったこともあったようです。「みんなで手を繋いで輪になろう」と言っても、手を繋いだらつないだで、わ~って楽しんでしまう子ども達。輪を作るどころではなかったようでした。どういう状況なのか、想像できますよね。新しい先生が来て子ども達は、きっと興奮しているでしょうし、ちょっとしたことでも「うわぁ~」ってなってしまいがちなのが、初回のレッスン。最初から上手くやろうとせず、とにかく初回は楽しむことが大事です。また、思っていた以上に子ども達の人数も多かったようで、4~5歳児クラスに3歳児が数名参加して15名、2歳児クラスの子ども達が12名もいたり・・・。もちろん、外国籍に保育士がアシスタントについてくれていたようですが、手を繋いで輪を作るというアプローチだけでも大変だっただろうなと思います。

初回のレッスンを終えての幼児日本語教師からのメールには、

本日、日本語レッスン3コマ終えてきました。いろいろとハプニングがあって、教案通りにはできなくて、反省点ばかりですが、楽しかったです。(中略)100時間の指導経験をつまなければいけない理由や意味がしみじみと理解できた初回です・・・コツコツ頑張りたいと思います。

結果的には、インターナショナルスクールの先生たちからは褒めて頂けたようで、デビュー初日の興奮が冷めないうちにメールで報告が来たので、子ども達と手を繋いで輪を作ろうのアプローチについて、アドバイスをさせてもらいました。リズムに合わせて声掛けすると、子ども達はリズムに合わせて動けるので、まとまりやすくなるものです。

また、教案通りに進められなかったということですが、初めて会う子ども達ですから、どういう反応があるのか、どんなことに興味があるのか、どのくらいの集中力があるのか、全くわからない体当たりですよね。初回は教案通りにいかなくても楽しめたのであれば、それで良いと思います。指導している先生が「大変だった。辛かった。もうやりたくない」で終わってしまえば、その感情は子ども達にも伝わりますからね・・・。でも、「反省点ばかりだけど、楽しかった」という気持ちがあったので、それが一番幼児日本語教師の指導で大事なことです。指導者が楽しくなければ、子ども達も楽しめない。先生が笑顔でいれば、子ども達も笑顔になる。そういうものなんですよ。初回のレッスンから上手くやろうなんて、経験豊富なベテランの先生だって、難しいことだと思います。初回のレッスンっていうのは、とにかく子ども達と一緒に楽しむこと。日本語のレッスンが楽しい、また先生と日本語で遊びたいって子ども達に思ってもらう・・・。このくらいで初回は十分ですよね。子ども達も先生も楽しめたレッスンを行った後、この先生のようにしっかりレッスンを振り返り、どこが上手く行かなかったのか、何が良かったのか、次はどこを改善してアプローチしたら良いのかと考える時間を持つことも、指導スキルの上達に結びついていきます。

日本人の悪い癖で、「出来なかったことばかりに注目する」のは、良くないですね。反省する際に、良いところも見つけてあげると次へのステップに繋がります。子ども達に指導する先生が出来ないことばかりに目を向けるのではなく、小さくても出来たところを自分で褒められるようになると、他人にも、そして子どもにも良いところを見つけてあげられるようになるので、この先生は自分の評価もきちんとできているという点では、素晴らしいと思いました。

【2回目のレッスン】

2回目のレッスンには、幼児日本語教師のレッスンを学校の校長、副校長をはじめ、幹部の先生方が教室まで見学にくるほど、興味津々だったそうです。そんなプレッシャーも感じつつも、1回目よりも2回目のレッスンの方が全体的にも上手く出来たようで、幼児日本語教師本人も満足できたレッスンになったそうです。子ども達と手を繋いで輪になるという時も、声掛けをすることで、子ども達も自分達で声を出して積極的に動いてくれるようになったそうです。直ぐに結果に結びついたのは、もちろん、先生のアプローチの仕方、楽しい雰囲気を作ったのが良かったからでしょうね。

子ども達と一緒に手を繋いで輪になろう~っていうのは、子ども達を誘導するのに持っておきたいテクニックの1つですね。先生が「みんなで手を繋いで~」と子ども達に声掛けして、子ども達が手をつなぐのを待つのも1つ。でも、なんだかつまらない。。。。特に2~3歳の子ども達だとじっとしていられないので、手を繋いだら、じっとしていられない子の行動が連鎖して、全体的にワチャワチャしてしまいがちになります。子ども達は、じっとしていられないのですから、それなら動けば良い。先生の声掛けに合わせて動きながら子ども達はお友達と手を繋いで、みんなで輪ができるように誘導していく。幼児日本語教師として日本語のアプローチを入れたいので、「小さなまるを作りましょう」と言って、手を繋いだまま、みんなで前進していけば、輪が縮まっていき、お向かいのお友達に近づいてきます。それだけで子ども達は嬉しくなっちゃって声を上げて喜びます。それから、「大きなまるを作りましょう」と言って、大股で1歩、2歩と後ろにリズムを取りながら下がっていくと子ども達も真似してくれます。ところどころで、数字を入れて「いち、に、さん」でジャンプをしてみたり、『手を繋いで輪を作る』という単純な行動ですが、ちょっと工夫するだけで、日本語で「おおきい、ちいさい」の大小を教えることもできますし、リズムに合わせて数字を教えることもできます。日本語がわからない子ども達でも、楽しい雰囲気があると、積極的に参加してくれて、数回繰り返せば、「大きいまる」「ちいさいまる」って声を出してくれます。「いち、に、さん」でジャンプするのも数回やれば、直ぐに覚えます。こんなアドバイスをちょっとしただけですが、2回目のレッスンでは、子ども達と一緒に手を繋いで輪を作ることもできて、楽しめたようでした。

2回目のレッスン後には、以下のような感想が送られてきましたよ。

今日のような感じにレッスンできるなら、やっぱり幼児日本語教師を続けていきたい。もっともっと上手になりたい。この職業に出会えてよかった!まだまだ躓くかもしれないけれど、もうこれが私の生きる道!と帰路の車中テンションが上がりました。今日のレッスンを落ち着いて振り返ると、いろいろな場面で子ども達からヒントや発見を貰えることを体験しました。

【100時間の指導経験】

幼児日本語教師の指導者認定試験の受験条件にある100時間の幼児日本語指導経験については、教育機関で実習しなくてはならないということではありません。どんなところで幼児日本語教師として活動したいのかは、個々で異なると思うので、この100時間の指導経験の場所もその後に繋がるように選んでいくと良いと思います。教育機関で幼児日本語教師として日本語を教えたいという方は、日本語補習校や日本語学校などに聞いてみると良いでしょう。また、子どもに日本語教育をと考えている親御さん達の力になれたらと考えている方は、地域の日本語コミュニティに声掛けしてみると良いですね。日本語のプレイグループや育児サークルなどで日本語レッスンの指導経験をさせてもらうこともできると思います。日本国内の方々は、今回ご紹介した方のようにインターナショナルスクールに連絡してみるのも良いと思いますし、地域の外国人支援センターに声掛けしてみても良いですね。または、自分で指導経験を積むために子ども達を集めるという方法もありますね。

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